阿蘇の大草原を守る
熊本県の阿蘇山周辺は豊かな自然に恵まれた心癒される見どころが多くある地域です。
中心となるのは、やはり阿蘇山。
阿蘇カルデラは南北25km東西18kmの広さで世界有数のカルデラです。
内牧温泉の北東方にある北外輪山の大観峰は、文豪徳富蘇峰によって名付けられ、阿蘇五岳や久住連峰の絶景を楽しむことが出来ます。
日本名水百選の白川水源をはじめ、いたるところに湧水があり、その水を利用した料理や地酒も堪能できます。
とくに目を引きつけるのが緑の大草原です。
大草原というイメージ、そのものを体感することが出来ます。
草原の広さは22,000ヘクタールで東京ドーム4700個分にもおよびます。
まさに大自然の景色そのものである大草原、実は古くから人間の手によって維持されてきました。
人の手によって野焼き、採草、放牧が行われることで阿蘇の草原は守られています。
早春の野焼きは冬に枯れた草を焼くことでダニなどの虫を駆除して放牧する牛馬の餌となる草が育つ土台を作るという役割を持ちます。
野焼きをやめると樹木が生い茂るようになり、草原はなくなってしまいます。
野焼きで真っ黒になった土地に1週間ほどで草が生え始め、一面緑の草原に様変わりしていきます。
秋には刈り干し切りと呼ばれる採草作業が行われます。
刈り取って束ねた干し草を小高く積み上げる草小積みといわれる作業も行われ、刈り取った草は冬の間の牛馬の餌などに使われます。
こうした草原を管理する作業というのは重労働です。
畜産農家は減少しつつあり、管理に携わる後継者の減少も危惧されています。
https://donation.yahoo.co.jp/detail/5172001/
未来に渡り、阿蘇の草原を維持管理していくための活動も積極的に行われています。