アティ族の手作業によるバッグ製作を軌道に乗せる
地球全体で見たときに、全人口の収入が高い層の2割の人口で全体の70%の収入を得ているというデータがあります。
逆に収入の低い層の4割の収入はというと、全体の5%にとどまっています。
国や地域によって生活していくために必要な収入というのは異なりますので、一概に断言することはできませんが、世界全体での貧富の差というのは大きく開きがあるということは明らかです。
世界銀行では貧困を計測する世界的な基準として「1日1.25ドル以下で生活している」生活レベルを貧困ラインとして定めています。
このラインより下の人口は世界人口の20%を占めています。
地域で見るとサハラ砂漠より南のアフリカと南アジアの割合が高くなっています。
国連や各国から貧困を解消するための支援も継続的に行われていますが、抜本的な改善にはつながっていません。
公的な大きな組織の支援というのは学校建設やインフラ整備、食糧支援などが中心です。
教育やインフラの整備などの未来を見据えた支援と同時に、食糧支援、医療支援などの現在の危機を脱するための支援をバランス良く行っていくことは、支援策として正しいのですが、「国から国」「組織から組織」という支援のため、個人にまで届かない可能性もあるという側面も持っています。
個人レベルでは一時的に食糧やお金を支援してもらって助かるのだけれど、支援が終わると元の生活に戻ってしまうということも少なくありません。
一時的な支援も必要ですが、現在の貧困から抜け出すには「自分でお金を稼ぐ手段」が必要になります。
たとえば、フィリピンのアティ族の伝統技術であるニトという素材を用いた手工芸品の製作・販売を支援する活動も行われています。
https://readyfor.jp/projects/atiatiproject
伝統技術を生かしつつ、需要を見込める新商品の開発や販売ルートの確保などの支援をすることで、将来的には十分な採算をとれるしくみに育てて雇用を確保することで貧困から脱出することを目指しています。