ミツバチと果樹農家との関係を守る
ミツバチの大量死がニュースに取り上げられるのを目にした方もいらっしゃると思いますが、世界中でミチバチの数が大幅に減少するなどの事例が相次いでいます。実は、その始まりはヨーロッパで1990年代にミツバチの大量死が報告されました。当時は、原因がわからず、どう対応したら良いのかもわからない状態でした。
近年、ミツバチの減少はネオニコチノイド系農薬によるものであるということが定説になりつつあります。ミツバチがネオニコチノイド系農薬を微量でも摂取してしまうと脳の働きが狂って方向感覚を失います。方向感覚を失ったミツバチは巣の場所がわからなくなり、自分の巣へ帰ることが出来なくなってしまいます。女王蜂は残っているのに働き蜂だけが居なくなってしまう蜂群崩壊症候群の原因は、このネオニコチノイド系農薬によるものであると考えられます。
ネオニコチノイド系農薬は水溶性のため、葉の表面に不着するだけでなく、葉や根から吸収されて植物の実や花粉にまで浸透します。そのため、ミチバチのように植物から密を吸う虫は大きなダメージを受けることになるのです。このネオニコチノイド系農薬はヨーロッパでは暫定的に使用禁止という措置がなされているのですが、日本の厚生労働省では規制が強化されておらず、逆に2015年5月19日にネオニコチノイド系農薬2種類に関する食品残留基準を緩和する措置を行うなど、ミツバチへの影響が重視されていない状況です。
こうした状況を何とかしようということでミツバチと果樹農家を守る活動も行われています。
https://readyfor.jp/projects/oonumayouhou
ミツバチは果物を育てる際の花粉交配には欠かせません。多くの果樹農家の方は交配ミツバチを利用して畑やビニールハウスに放って花粉交配を促進して果物を育てています。ミツバチの減少は養蜂業の方だけでなく果樹農家の方にも大きな影響を与えます。