地球温暖化による気温上昇はどのように起きるのか
WMO(世界気象機関)とUNEP(国連環境計画)によって1988年にIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が設立されました。
人間の社会活動による気候変動とその影響について科学的に評価することを目的としています。
そのIPCCの第5次評価報告書によると1880年から2012年の間に世界の平均気温は0.85℃上昇しました。
海面水位の平均は1901と比較して2010年までに19cm上昇しています。
また、今後2100年までの気温上昇は何も対策しない場合は最大4.8℃上昇すると予測していて、その場合、海水の膨張と氷河が溶けることで海水面が最大82cm上昇します。
そうなると、砂浜が消失したり、水没の危機にさらされる地域も出てきます。
地球温暖化による気温上昇はどのように起きるのでしょうか。
地球は太陽光の熱によってあたためられています。
温められた地球は赤外線による熱を宇宙に向かって放出します。
ただ、太陽光の熱が赤外線としてそのまま宇宙に放出されてしまうと、地球の平均気温はマイナス19℃まで下がると言われています。
そうならないのは、温室効果ガスの働きがあるためです。
温室効果ガスは、太陽光はよく通すのですが、地球が宇宙に放出している赤外線を吸収します。
本来、放出されるはずの赤外線の熱が温室効果ガスに吸収されて地球に残ることになりため、地球の温度は上昇します。
これまでは適度にバランスが保たれて、過ごしやすい環境が維持されてきました。
このバランスが崩れる原因になるのが温室効果ガスの増加です。
温室効果ガスが増え続けると地球の気温がさらに上昇することになります。
これが地球温暖化のしくみです。
次回は、この温室効果ガスについて見ていきたいと思います。