服の製造販売にかかる環境負荷
一枚の服が作られれて販売されるまでには様々な工程があります。
まず、綿や石油製品のナフサなどの原材料を調達します。
調達した原材料の綿花や羊毛などの繊維は、意図に加工されます。いわゆる紡績です。
染色により色が付けられた糸は、織られて生地などが作られます。
生地はデザインに応じて、裁断、縫製されて一枚の服が完成します。
完成した服は輸送されてショップで販売されます。
これらの各工程を細かく見ていくと、環境負荷がとても高いことがわかります。
まず、原材料となる綿花の栽培には大量の水が必要になります。
また、化学繊維の原料となるナフサなどの石油製品を扱う工場からは二酸化炭素が排出されます。
服によっては、ボタンなどにプラスチックを使用しているものも多くあります。
国内で販売されている衣服の約98%が海外から輸入しているものですので、その輸送手段に必要な燃料だけでなく、排出されるCO2も大量になります。
これらの合計の年間CO2排出量は90,000キロトンです。
服一枚当たりの二酸化炭素排出量は25.5キログラムです。
水の消費量は年間83億立方メートルになります。
服一枚当たりではおよそ2,300リットル、浴槽11杯分です。
水の消費量の約9割が綿の栽培によるもので、仮に有機栽培のオーガニックコットンに代えることが出来たならば年間約67億立方メートルの水消費を抑えることができます。
67億立方メートルというとイメージしづらいですが、東京都で年間利用される水の4倍以上の量になります。
一枚の服だけでも想像以上の環境負荷がかかります。
大量生産大量消費のファストファッションが流行する中で、地球環境のこともふまえて服との向き合い方を考え直さなければならない時期にきています。