二酸化炭素を吸収する森林と認められるには
地球温暖化の対策として、温室効果ガスの削減がまず挙げられます。
人間の社会活動において産業革命以降の近代化により、電力の発電や工場の稼働によって大幅に二酸化炭素の排出量は増えました。
まずは排出量を提言することが最優先です。
それと同時に議論に上がるのが、森林を豊かにするという対策です。
森林には二酸化炭素を吸収するという働きがあります。
二酸化炭素の排出を減らすとともに、二酸化炭素の森林による吸収量を増やそうという発想です。
実際、京都議定書の計画では、森林による二酸化炭素の吸収について明記されています。
樹木は、二酸化炭素を吸収して光合成を行って、有機物の炭素を樹木内に取り込んで成長していきます。
森林の木々一本一本には二酸化炭素を吸収して蓄積するという働きがあるわけです。
しかし、樹木が二酸化炭素を吸収する量というのは一定ではありません。
成長期の樹木はより多くの二酸化炭素を吸収して成長していくため、吸収量も多くなります。
日本に多いスギやヒノキの場合、樹齢10年から20年がピークで、その後、吸収量は減少していきます。
日本では戦後の復興のために植林された森林の樹齢が50年を超えてきていますので、極相林と呼ばれる安定期に入った森林が多いと言えます。
そうなると多くの二酸化炭素の吸収は期待できません。
また、人の手が入らなくなった放置林などの荒れた森林でも二酸化炭素の吸収は期待できません。
さらに、そうした森林は温暖化対策において、二酸化炭素の吸収源としてカウントできないことになっているのです。
すでに森林が7割ある国土にとっては、放置林を再びよみがえらせるように管理していくことが重要です。
二酸化炭素の吸収源として認められるためにも森林の管理は重要です。
日本の森林の多くは人工林です。森林を伐採するというと、よくないイメージを持たれるケースもありますが、人工林においては、適度に伐採して人の手で管理していく必要があるわけです。