ヤギと人が幸せになる関係
ヤギというと家畜と言うイメージがありますよね。
最初に日本に入って来たのは「肉用」のヤギです。
肉用の家畜として九州や沖縄地方で飼いならされました。
とくに沖縄の食用ヤギはヒージャー(ヒゲのある動物)と呼ばれ、飼育しやすく栄養も豊富なため、家庭でも一般的に食べられています。
ヤギ汁は好みもありますが沖縄の名物にもなっています。
「乳用」のヤギの歴史は意外と浅く、ペリーが持ち込んだのが最初とされています。
食用の家畜として身近なヤギですが、一方で害も出ています。
害と言ってもヤギのいない土地にヤギを持ち込んだ人間が原因です。
たとえば、小笠原諸島。
小笠原のヤギはハワイからの移住者が持ち込んだとされていますが、次第に数が増えて野生化するヤギも多くなりました。
ヤギは繁殖力が強く放っておくと増殖し過ぎてしまうため、定期的に狩猟をして数を抑えたのですが、その後、小笠原が国立公園に指定されたため、ヤギの狩猟が禁止となりました。
当然のごとく、野生のヤギは増え続け、島の草木を食べつくし荒廃の一途をたどります。
こうした事態を重く受け止め、東京都は父島列島のノヤギ排除に乗り出すまでになったのです。
世界に目を向けると、ガラパゴス諸島でも人間が持ち込んで野生化したヤギの被害により固有種の動植物が甚大な被害を受けていました。
固有種保護のため、外来種である野生ヤギは駆除され、2010年に完全駆除されました。
いずれの例も人間がヤギを持ち込んだ原因です。
ヤギと人間。
なんとか幸せな共存はできないものか。
ヤギに限りませんが、家畜として受け入れたのであれば最後まで責任を持って飼育する。
そのことに尽きるでしょう。
最近はヤギも食用、乳用だけでなく、除草のために働く動物として見直されてきています。
https://readyfor.jp/projects/siawasemasuyagiizu
ヤギと人の幸せな関係を作ろうという活動も行われています。