公共バスに水素バスを採用したアイスランド
発電時に水を排出して作られる水素エネルギーは、地球温暖化のためにCO2を削減するという観点からクリーンなエネルギーです。
前回は風力や太陽光などの自然エネルギーを貯蔵するという仕組みを紹介しました。
とくに最近は自動車への水素エネルギーの応用が急速に進んでいます。
これまで自動車は燃料をガソリンなどの石油燃料に頼ってきました。
その排気ガスが環境に及ぼす影響も懸念されてきました。
ただ、発電所のように風力や太陽光などの自然エネルギーを検討することは難しく、石油燃料の代替となるエネルギーもなかなか見つかりませんでした。
そんな中で水素エネルギーは自動車産業の大きな転換点となりました。
そして、いち早く公共バスに水素を燃料とするバスを採用したのがアイスランドです。
アイスランドでは、ガソリンスタンドに代わる水素スタンドが2004年の4月にレイキャビックに作られて、世界初の称号を得ました。
水素バスだけでなく、2030年までに化石燃料を国内で一切使わないエネルギー政策を目指しています。
日本と同様にプレートの境界に位置していて、火山が多い国でもあります。
その立地を有効活用し、地熱発電も盛んです。
アイスランドには火力発電所も原子力発電所も存在しません。
現在では電力全体の3割を地熱発電が占めています。
残りの70%は水力発電で、すでに100%近くの電力をを自然エネルギーでまかなっています。
アイスランドの最大の地熱発電所のヘトリスヘイジ発電所には三菱や東芝といった日本企業の技術が使われています。
同じ火山国でもある日本もとしてはアイスランドに学ぶべきことも多いのではないかと思います。