小麦から米へシフトの可能性

小麦の高騰から米粉へのシフトが真剣に検討されています。

小麦の代用としての米粉にはどれくらいの可能性が秘めているのでしょうか。

実は、日本では古くから米粉が使われていました。

とくに、うるち米を原材料とした上新粉は串ダンゴやかしわ餅などを作るために使われています。

小麦の代わりに米粉を使うにあたって、まず思い浮かぶのがパンや菓子への使用です。

和菓子の材料として使われてきた米粉ですが、粒が粗いため、少し前まではパンには不向きとされていました。

しかし、近年、製粉の技術が向上しパンにも広く使われるようになり、小麦が高騰する以前から米粉のパンは一定の人気とニーズがありました。

米粉は小麦粉と違ってダマになりにくいためふるいをかける必要がありませんし、水分の吸収率が良いので、調理の過程で扱いやすいのもメリットです。

米粉のパンは小麦粉のパンよりも水分を多く含みます。

そのため、モチモチとした食感になるのが特徴です。

また、モチモチしているため咀嚼する回数も多くなるため、満腹感が得られ、腹持ちも良いということでダイエット中の食事としても利用されています。

小麦と比較してアレルギーを起こしにくいことも長所です。

小麦アレルギーやグルテンアレルギーの方々は、これまでおもに小麦が材料であるパンを食べることができませんでしたが、グルテンフリーである米粉パンであれば食べることができます。

パンや菓子以外の米粉の用途として、てんぷら粉やから揚げ粉が注目されています。

米粉は小麦粉と比べて油の吸収率が低いため、油分が気になる方にも人気で、揚げたときにサクサクの食感になります。

麺類としてはビーフンも注目されています。

ビーフンは米を原料としていて、餅のように蒸しあげてから麺状にして乾燥させています。さまざまな調味料との相性も良いため、アレンジしやすいのが特徴です。

うどんチェーンの丸亀製麺を運営するトリドールホールディングスも、米線(ミーシェン)という米から作った麺を提供する店の展開をスタートしました。

今後も、小麦の代替品というレベルを超えた、米の新しい用途が生まれて来そうです。日本では安定供給が可能な米を利用した商品は、品質さえ上がれば消費者にも受け入れられていくことでしょう。

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