海を利用した波力発電
日本は島国です。
周りを海で囲われています。
豊富な海洋資源に恵まれて、魚介類が食卓に上がることも多いです。
近年、注目されているのが広大な海を利用した発電方法です。
地球環境を考慮することが急務である今、化石燃料を燃やして温室効果ガスである二酸化炭素を発生させる火力発電からのシフトが求められています。
原子力エネルギーや再生可能エネルギーが代替の候補になってきますが、東京電力による原子力発電所の事故を経験した日本国民としては、原子力エネルギーには負のイメージが残ります。
そこで注目されるのが再生可能エネルギーになります。
自然エネルギーの代名詞とも言えるのが太陽光を利用した太陽光発電ですが、海を利用した発電も検討されています。
まずは波の力をエネルギーに変換する波力発電です。
波力発電にはいくつかのタイプがあり、その一つが振動水柱型です。
発電装置に空気室が設けられていて、波の上下によってその空気室にかかる圧力が変化します。
その圧力差を利用してタービン発電機を動かして発電するという仕組みです。
この発電方法はすでに実用化されていて、海に浮かんでいる航路標識用のブイの照明などに利用されています。
また、可動物体型というタイプもあります。
可動物体が波のエネルギーによって揺れ動いて振り子の運動エネルギーに変換してモーターを回して発電するものです。
可動物体の種類によって、並進動揺型と屈曲動揺型があります。
さらに、防波堤を超えてきた海水を貯蔵して利用するのが越波型です。
貯水槽に溜まった海水が海に流れて戻る際の高低差を利用するものです。
波力発電のメリットの一つは枯渇する心配がないことです。
海の波が絶え間なく発電します。
発電効率は太陽光エネルギーの20~30倍とされています。
デメリットとしては、台風などの災害時にどれだけ稼働できるかという懸念があります。
普及させていくにあたっては、設置コストと維持コストの問題と合わせて検討して磨きをかけていく必要があります。