日本は水輸入大国
日本は、海に囲まれた島国であり、山地や河川に恵まれていて、豊富な水資源がある国と言えます。
水道インフラも充実していて安心して飲める水がどことでも手に入ります。
そんな日本ですが、バーチャルウォーターという見方をすると、海外から大量に水を輸入する世界有数の水輸入大国なんです。
日本の食料自給率は38%前後で推移しています。
つまり、多くの食糧を海外からの輸入に頼っています。
バーチャルウォーターの考え方では、食糧を輸入している国がもしその食糧を自国で生産したらどれくらいの水が必要となるのかを推定します。
多くの食料を輸入している日本は、それだけ多くのバーチャルウォーターを輸入していることになるのです。
どれくらいの輸入量かというと、日本国内で使用される水の量と同程度のバーチャルウォーターを輸入していると推定されています。
輸入している国としてはアメリカが1位で49億立方メートルのバーチャルウォーターを輸入していることになります。
次いでオーストラリア、カナダ、ブラジル、中国などが挙げられますが、これらは貿易量の多い国になっています。
バーチャルウォーターは農産物よりも畜産物の方が量が多くなります。
餌となる穀物の栽培に使われる水の量も加算されるからです。
100gの牛肉の輸入は2リットルのバーチャルウォーターの輸入にあたります。
水資源のうち、飲料水や風呂、洗濯等の生活用水として使われているのは全体の10パーセントに過ぎません。
20パーセントが工業用水、残りの70パーセントを占めるのが農業用水です。
現在でも安心して飲める飲料水は世界全体に行き渡っていません。
飲料水と農業用水では、求められる水質がまったく違いますので、単純には比較できませんが、水量的な問題では、飲料水の確保を考える一因にはなっています。
加えて、安全な飲料水をカンタンに抽出できる技術の確立と普及が求められています。