バーチャルウォーターは減らせるか
昔から水源がある土地は豊かな土地とされて、水源のない地域は治水を行い、水を確保する技術が発展してきました。
人にとって水は生命の根源であり、不可欠な存在です。
ただし、水は有限です。
人類が未来を生き抜いていくためには、地球上で等しく水を分け合わなければなりません。
飛行機などの交通手段に加えて、インターネットなど情報交換の手段が普及するにつれて、世界は大きな一つの経済域となりつつあります。
貿易がさかんに行われて、バーチャルウォーターという考え方が生まれました。
バーチャルウォーターを想像する
https://www.sentakushi.com/contribution/water220121.html
日本は他国から大量のバーチャルウォーターを輸入しています。
日本は水輸入大国
https://www.sentakushi.com/contribution/water220128.html
牛丼一杯で2リットルのペットボトル1000本、ハンバーガーやラーメンで500本のバーチャルウォーターと換算されます。
もちろん、すべての原料が輸入品ではありませんが、それぞれの身近なメニューが大量のバーチャルウォーターを必要とする事がわかります。
先述の通り、交通手段や情報交換手段により世界が身近になりつつありますが、食事メニューについても同じことが言えます。
他国の食事情がスマホで瞬時に調べられるようになり、自国伝統のメニューだけでなく、他の地域の食事を調理して食する機会も増えています。
まだまだ入り口ではありますし、根本的な部分では伝統は残ると思われますが、表層の部分では、今後も食や文化の均一化は進むものと思われます。
牛丼にしろ、ハンバーガーにしろ、日本でも江戸時代には多くは食べられていなかったものです。
とくに牛肉などの畜産物はバーチャルウォーターの多い食糧となります。
バーチャルウォーターの輸入大国である日本が取り組むべき課題として、地産地消は欠かせません。
地域で獲れた食料を食事のベースにおくことで、極端なバーチャルウォーターの輸入は避けられます。
地産地消により、輸送におけるエネルギーコストも削減することができます。
日本は水が豊かな国です。
地産地消をこころがけるとともに、世界随一の公共水道網の技術協力などで世界に貢献することが、バーチャルウォーターの課題解決のカギとなります。