令和6年能登半島地震でも活躍する小規模分散型水循環システム
一日の飲用水の量は個人によって異なりますが、一般的には専門家や公衆衛生機関によって推奨される摂取量があります。
世界保健機関(WHO)やアメリカ国立衛生研究所(NIH)によると、一般的な成人の一日の飲用水の推奨量は約2リットル(2000ml)から2.7リットル(2700ml)です。
この摂取量は、水分補給の他に、食事や代謝による水分損失を考慮しています。
ただし、気象条件、活動レベル、健康状態などによっても必要な水分量は変わるため、個人の状況に合わせて適切な水分補給を心がけることが重要です。
例えば、気温が高い日や運動を多くする日は、水分摂取が増えますし、逆に、寒冷な環境では、水分の摂取量が低くなります。
飲用水以外に一日に使う水の量は地域や個々の生活習慣、使用する設備などによって異なります。
料理や調理に使用される水の量も個人や家庭によって異なりますが、一般的には数リットルから十数リットル程度が一日にかかります。
入浴やシャワーに使用される水はおおよそ40リットルから100リットル以上になることもあります。
洗濯に使用される水も多く、1回の洗濯に10リットル以上必要になりますし、トイレの水流量や使用頻度によって異なりますが、一回の流水で数リットルが使われます。
日本国内において、1人あたりの1日の水使用量は約200リットルと推定されています。
この中でお風呂が占める割合は約40%であり、具体的には1人が1日に使う水量のうち約80リットルがお風呂に使用されているとされています。
日常生活において2番目に水を多く消費するのはトイレであり、1日あたりの水使用量は約40リットルになります。
世界に目を向けると、上下水道の整備が不十分な地域が世界中に存在しています。
主に発展途上国や一部の地域の上下水道のインフラ不足は、衛生状態の悪化や水に関連した疾病の増加など、深刻な社会的課題を引き起こします。
一方で、先進国でも災害時に上下水道が影響を受ける可能性があります。
とくに日本は地震や台風などの自然災害が頻発する国であり、これらの災害によって水道施設が損傷し、水道が寸断されることがあります。
これに備え、日本では非常時に備蓄水を持つことや、自治体が災害時の水の供給計画を策定しています。
また、技術の進歩により、災害時にも使用可能な浄水技術や非常用の給水設備も整備されつつあります。
令和6年能登半島地震でも活躍するWOTA
今の社会は、大規模で中央集中型の水消費社会です。
日本でも、大量の水を上下水道施設で処理して各住宅に提供しています。
自然からの恵みである水源を浄水場で処理して、上水道により各家庭に届けられ、使用された水は下水道を通して排出されます。
これに対して、WOTA株式会社が開発したWOTA BOXなどの製品は、小規模かつ分散型の水循環社会を目指しています。
限られた水を繰り返し再利用できるシステムで、排水の98%以上をそのまま再生して、何回も繰り返し使うことができます。
各家庭単位でも設置できる小規模なシステムで、生活排水を生活用水に繰り返し変換できるため、水不足などのリスクも低減できます。
これらの装置は、生活排水として廃棄されていた排水をすべて回収するため、川や海を汚染することもありません。
とくに日本のような自然災害の多い国では、災害時に水道インフラが使えなくなったときに、避難所などに設置することで水の問題をクリアできます。
元となる水源として、スイミングプールや雨水や河川水なども使えます。
令和6年能登半島地震では、被災地の方々への支援として、断水時でも利用可能な自律分散型水循環システム「WOTA BOX」を活用したシャワーによる入浴支援、水循環型手洗いスタンド「WOSH」による清潔な手洗い支援などが行われました。
避難所でもWOTA BOXを設置して暖かいシャワーが提供されました。
持ち運びや設置がしやすいテント方式を採用しているため、災害の現場でも有効に活用されています。