サンゴだけでない海洋酸性化の影響
前回は海洋酸性化によるサンゴへの影響などについてでした。
海にはサンゴだけでなく多種多様な生物が存在します。
その中でも海洋酸性化による影響を受けやすい生物が存在します。
貝やカニ、エビなどの甲殻類です。
いずれも殻の部分が炭酸カルシウムで形成されています。
炭酸カルシウムは酸性化した海水の影響を受けやすく、溶け出すなどの深刻な影響を受けやすいです。
溶け出さないまでも殻がうすくなるといった現象も想定され、とくに子供の貝や甲殻類への影響が懸念されます。
成長が阻害されたり、殻で身を守ることが難しくなると捕食されてしまう確率も高くなります。
貝や甲殻類以外にも動物プランクトン、植物プランクトンも影響を受けやすいです。
身体が小さく海水の影響も大きいためです。
実際、プランクトンの成長が阻害されて小型化するという事態も懸念されています。
プランクトンは海の生態系でも重要な位置を占めています。
プランクトンが減少したり、小型化すると、それを餌とする小さな魚の生育にも影響を与えることになります。
生態系は連鎖していきますので、さらに大きな魚への影響も避けられません。
漁業への影響も多大です。
漁獲量の減少による損失も大きくなります。
とくにカキやホタテなど貝の養殖を行う漁業関係者は日本でも多いです。
影響により、価格が上昇したり、食卓に上る機会が減るなど、一般家庭にも影響が拡大すると考えられます。
海洋酸性化の原因の一つは二酸化炭素の増加にあります。
二酸化炭素の増加の要因である人間の社会活動といかにバランスをとっていくかが求められます。