救命技術と病院前救護の重要性
日本では交通事故や急病など、緊急で医療が必要な場合は119番に連絡します。
なぜ119番か。
交換手を通して電話が繋がれていた時代は、緊急番号の119番はありませんでした。
交換手に直接要件を伝えて繋いでもらっていました。
1926年に電話機を自動で接続する自動交換方式か導入されると緊急番号として112番が
制定されます。
ただ、当時はダイヤル式であったため緊急時に慌てて111にかけてしまう間違いが多発したため、1から離れた位置にある9が採用されて、翌年の1927年に119番となりました。
ちなみにアメリカでは911番、イギリスでは999番、オーストラリアでは000番、欧州連合EUでは共通で112番となっています。
日本では救急車は無料ですが、国によっては有料で高額になる場合もあります。
たとえばアメリカでは都市によって利用料金が異なっていて、ニューヨークでは300ドルが相場です。
緊急時の医療は時間との勝負になります。
病院に運ばれる前の処置によって後遺症を減らすことが可能です。
とくに心臓マッサージとAEDが有効です。
心臓が止まると1分間で10パーセントずつ救命率が下がりますが、心停止した患者に心臓マッサージとAEDが行われた場合には救命率の低下を3パーセントから4パーセントに留めることができます。
一般市民が目撃している状態で心停止になった事例は平成28年に25,000件発生しています。
そのうち56パーセントで一般市民が心肺蘇生を行いましたが、その1か月後生存率は心臓組成を行わなかった場合の約1.8倍の16.4パーセントでした。
さらにAEDなどの除細動の処置を起こった場合の1か月後生存率は53.3パーセントになります。
このように一般の方がAEDや心臓マッサージを扱えるようになり病院前救護を充実させることで緊急時の生存率を大幅に高めることができます。