バナナの繊維を素材にした衣服
あなたが好きな果物は何ですか?
あなたがよく食べる果物は何ですか?
こうした質問でリンゴ、みかん、いちご、ブドウと並んで回答に挙がるのがバナナです。
バナナはボリュームの割には安く手に入り、栄養価も高いです。
マラソン大会の給水所の脇に並べられてランナーの栄養補給の食糧として使われることも多いです。
世界での年間バナナ消費量は1.5億トンにものぼります。
日本人は週に1本バナナを食べているというデータもあります。
世界中で愛されている果物のバナナですが、実はバナナ農園では年間10億トンの茎が廃棄されています。
消費量が1.5億トンですから、8倍になります。
バナナを収穫した後、その茎はもう実がならないので不要になります。
さらに、そのまま放置すると腐ってしまうので廃棄しなければなりません。
多くの農場では茎の部分は燃やして廃棄されます。
10億トンを燃やして廃棄するとすると発生するC02の量も相当なものになります。
もちろん、環境にもよくないわけです。
そこで、近年、バナナの茎を再利用しようというトライが生まれてきています。
バナナの茎をバナナ繊維として活用していこうというものです。
農場ではもともと廃棄されていたものを利用するわけですから、農場での廃棄の手間がなくなりますし、廃棄の際に発生するCO2も削減できます。
日本でも三井物産アイ・ファッションがバナナクロスとして開発を進めていて、ファッション業界でも注目されています。
地球環境の保護という観点からもサステナブルな取り組みであり、新たな繊維素材として成長が見込まれています。
大量に廃棄されていたバナナの茎の再活用のこうした取り組みは、食べておいしいだけでない新しいバナナの可能性を示しています。