ガンの超早期発見の技術を確立させる
新型コロナウイルスの流行が1年以上継続しています。
少しずつウイルスの正体が見えてきつつあるとしても、未知のウイルスへの危機対応を求められ続けています。
未曽有の危機に対して、私たちの税金の使い手である政府はどのようなお金の使い方をしてきたかを大雑把に考えてみると、経済対策への予算と比較して医療に対しての予算の配分が少ないように感じました。
緊急事態の根本原因は新型コロナウイルスなわけですから、医療体制を拡充するためのお金と人の支援、病院船などによる病床確保のアイデアの検討と実現、ワクチンや治療薬を早期に開発するための大規模な支援などを行う必要がありますし、早い段階でこれらを行っていれば、ここまで長期化しなかったのではとさえ思います。
このことはコロナ禍ではない平常時にも当てはまります。
日本人の死因の第一位はガンです。
ガンによる死亡者は年間約38万人。一日当たりであれば1,000人です。
ガンのリスクを低減させるためにもっとガン対策に予算が振り分けられても良いはずです。
現在、ガンのステージ1であれば生存率が9割を超えますが、ステージ4の場合は2割程まで減少します。
いかに早い段階で発見するかが、ガンとの勝負になります。
早期発見には、がん検診の受診が欠かせないのですが、日本のガン健診の受診率は5割を切っており、他の先進国と比較してもかなり低い水準です。
ガン健診の受診には病院へ足を運ぶ必要がありますし、なおかつ、ガンへの恐怖の思いが心の奥底にあって心理的にも遠ざけてしまう傾向があります。
そんな中で期待されているのが、血中の「KK-LC-1」を検出する診断法です。
これまでの検査のようにガンの有無を検査するのではなく、ガンになる前段階で多く発生する「KK-LC-1」を検出する方法になります。
つまり、ガンになりそうな細胞を検査する方法です。
北里大学では現在、クラウドファンディングで支援を募っています。
https://readyfor.jp/projects/kk_lc_1
こうした医療分野への研究にこそ、もっと多くの税金が使われてもよいのではないかと思います。
ガンの前段階でリスクを検出できるこの検査が普及すれば、ガンによる死亡リスクは劇的に減らせます。
また、この研究の最終目標として、「KK-LC-1」のワクチンの開発まで視野に入れています。
検査で「KK-LC-1」を検出したガンの前段階の患者さんにワクチンを摂取することで、ガンになる前に予防できる時代が来るかもしれません。