カンボジアの子供たちに支援が届かない孤児院の現状
近年、カンボジアは急激に経済発展しています。
2018年も約7%前後の経済成長率が見込まれています。
最大の都市であるプノンペンには高層ビルなどの建設ラッシュが続いています。
ただ、中心部から離れると問題点が見えてきます。
急激な発展により、インフラ整備や公共サービスがついていっておらず、ゴミの回収もままならない現状が見えてきます。
経済発展の恩恵を受けられない貧困層も多く、ゴミの山から物を拾って生活している地区もあります。
物価も上昇し続けていて、都市部だけでなく、地方の物価も労働賃金の上昇以上に上がっているため、人々の生活を圧迫しています。
また、カンボジアの貧しい子供たちを救うと銘打った「貧困ビジネス」の増加も問題になっています。
日本やアメリカなどの旅行会社によって企画されている孤児院を訪問するボランティアツアーを目当てにした孤児院が増えているのです。
ツアー参加者や観光客からの寄付金を得るために、実際は孤児ではない子供たちを孤児院に集めるビジネス目的の孤児院が次々に作られています。
カンボジアの孤児の数は減少傾向であるにも関わらず、孤児院の数は年々増加しています。
ボランティアツアーの参加者や観光客の増加により多くの寄付金が集まることが要因と考えられています。
いわゆる「孤児院ビジネス」を行う施設に寄付しても、そのお金は子供達には届きません。
本来、支援されるべき子供たちにお金が届かず、別の組織にお金が集まってしまっているのです。
さらには、孤児ではない貧困家庭の子供がビジネスのために施設に入れられ、観光客の前で笑顔を振りまくように強要されているというケースも存在します。
支援したはずの寄付金が別のところに行ってしまっているという問題に加えて、今後、問題が知られるようになると、支援の寄付行為自体が減少してしまうことも考えられます。
もちろん、正しく運営されている施設も多くあります。
https://readyfor.jp/projects/tomoniikiru
本当に支援が必要な子供たちに寄付が届くかどうかという根本的なことを考えさせられます。