太陽光パネルの屋根への設置を義務化するカリフォルニア州
アメリカのカリフォルニア州は世界的な気候の問題への対策強化を続けています。
2030年までに電力の60%を再生可能エネルギーによる発電にする「Senate Bill 100」とい法案も成立しました。
2045年までには100%を再生可能エネルギーにしていくように電気事業者に義務付けています。
カリフォルニア州は温室効果ガスの排出量削減を法制化したアメリカ初の州で、環境保護問題でアメリカのみならず世界の注目を集めています。
その目標は温室効果ガスを2050年までに80%削減するという高い目標です。
2019年の時点では再生可能エネルギーの発電割合は約3分の1です。
そのクリーンエネルギーの3分の1が太陽光発電、水力も3分の1、残りを風力、地熱、バイオマス、原子力で分け合っています。
カリフォルニア州は年間を通して日照時間が多いです。
そのことを生かしつつ、再生可能エネルギーを増やしていく施策として注目されているのが太陽光発電パネルの設置の義務化です。
2020年以降の新築一戸建ての住宅には太陽光発電パネルの設置が義務化されました。
またカリフォルニア州のモハーベ砂漠には世界最大級の太陽熱発電所もあります。
最近は用水路の利用を推奨する研究結果も発表されました。
州内の水路すべてを太陽光パネルで覆うというものです。
用水路はむき出しのままですと水がどんどん蒸発してしまいますが、パネルで覆うことで水の蒸発を避けることができます。
その上、発電までできてしまうということで一石二鳥です。
このように順調にすすんでいるカリフォルニア州のエネルギー政策ですが、課題もないわけではありません。
太陽光発電の発電量が順調に増えている一方で、余剰電力の問題も生じています。
日中の太陽光による発電量が多くなりすぎると余剰電力となり送電系統に悪影響を与えてしまいます。
蓄電池を併設して昼間に貯めた電力を夜間に使用することなどにより対応を試みていますが、十分とは言えず、今後の課題の一つになっています。