二酸化炭素を回収する技術がすごい
二酸化炭素回収の技術が実用化しつつあります。
三菱重工業はイギリスの電力会社であるドラックス・グループが所有する世界最大のバイオマス発電所に二酸化炭素回収の技術提供をすることを発表しています。
三菱重工傘下の三菱重工エンジニアリングの技術で、燃焼排ガスからC02を回収します。
二酸化炭素を大気へ排出する前に回収できるということで世界的にも注目されています。
この回収技術のしくみは、まずCO2を含んだ排ガスが排ガス冷却塔に送られて規定の温度まで冷却されます。
冷やされた排ガスの中の二酸化炭素は独自開発のアミン吸収液に吸収されます。
さらに、二酸化炭素を吸収したアミン吸収液は再生塔に送られて、溶け込んだ二酸化炭素が回収されます。
このしくみで排ガスが含む二酸化炭素の90%を回収できます。
回収されたCO2は、炭酸ガスやドライアイスなどの利用方法がありますが、EORと呼ばれる原油増進回収法というものもあります。
原油増進回収法は油田での原油回収の効率を高めるとともに、二酸化炭素を地中に貯蔵できるというものです。
実は、油田ではすべての原油を回収できていません。
自ら噴出する原油のみを回収した場合の1次回収では油田回収率は10%程度で、人工的な力を加えることで30%ほどにまで回収率を上げることができます。
CO2を利用した原油増進回収法では、油田の油層に二酸化炭素を送り込むことで油田回収率を大幅に高めることができます。
さらに回収した原油のあった部分に二酸化炭素をそのまま貯蔵することもできます。
原油の回収量が増えるとともに、二酸化炭素を地下に貯蔵できるというしくみです。
これまでのCO2に関する議論では、二酸化炭素の排出量を減らすということが中心となっていましたが、C02回収の技術が磨かれていき、普及することが解決への選択肢の一つになることが期待されます。