抽出した後のコーヒーの残りかすを利用する
自宅でいれるコーヒーには大きく分けて2種類があります。
インスタントコーヒーとレギュラーコーヒーです。
もちろん、ペットボトルや缶コーヒーとして販売されているものもありますが、自宅で自分で作るものとしては大まかに2種類と言ってもよいでしょう。
インスタントコーヒーは粉をお湯に溶かすタイプです。
粉が溶けてそのままコーヒーになるため、ゴミが出ません。
対して、レギュラーコーヒーは、豆をひいたものから抽出するため、抽出後のコーヒーの粉が残ります。
これをコーヒー残渣(ざんさ)と言います。
多くの場合、そのまま廃棄されますが、何かに使えないものかと思うこともあります。
このコーヒー残渣を再利用しようという取り組みをネスカフェと日清紡グループのニッシントーア・岩尾株式会社が始めています。
コーヒーを抽出した後の残渣を染料として活用しようというものです。
まず、製品の紙パッケージを回収します。
回収して紙パッケージから紙糸を作り、生地素材に仕上げていきます。
再生された生地素材から衣服を作り、コーヒー残渣を利用した「のこり染め」という染色方法で染色を行います。
出来上がったTシャツやエプロンは、ネスカフェ原宿などのネスレ日本の直営店でユニフォームとして活用されます。
将来的には、紙パッケージの回収に協力した小売店にもリサイクルの成果を還元する仕組みの構築を目指しています。
今回紹介したコーヒーの例に限らず、生産過程で生じたものをそのまま廃棄するのではなく、再利用できないかといったん立ち止まって考えることが企業にも求められるようになってきています。