フランスの温室効果ガスを減らす手法
12万5000年前に地球は氷河期でした。
12万5000年前の氷河期の時代と現在を平均気温で比較するとその差はなんとわずか5度です。
つまり、12万5000年かけて5度の平均気温が上がったわけですが、ここ100年で平均気温は1度上がっています。
いかに現在の気温上昇が異常なものかわかります。
地球温暖化の原因である温室効果ガスを減らすことが急務なわけですが、前回は日本の取り組みを紹介しました。
今回はフランスの温室効果ガスを減らす取り組みを紹介します。
フランスは原子力発電の国です。
東京電力の福島原発事故の際にはフランスに支援要請を行いました。
58基の原子力発電所を所有していて2016年には全発電量の72%をまかなっています。
原子力発電からの二酸化排出量は少ないため、当初フランスは自動車などからのCO2排出量を減らす方向性としていました。
フランスのマクロン大統領は、温室効果ガス排出の削減をしつつ、財政再建も達成できるとして燃料税増税の政策を打ち出しました。
ところが、国民は身近で目に見える形で負担が増す燃料税増税に猛反発しました。
各地でデモと暴動が発生し、増税は凍結されることになりました。
自動車などからのCO2排出量を減らすことで温室効果ガスを削減していこうという方向性も再考が強いられることとなりました。
日本では福島事故により原発の安全性が疑問視されて安全基準の見直しが行われましたが、フランスにもその影響は少なからず出ていて、現在の原発の発電比率70%を2025年までに50%に縮小される目標が設定されました。
ただ、燃料税増税の凍結など、温室効果ガス削減のシナリオにほころびがでてきたため、2025年に50%に縮小という目標が2035年に延期されました。
2050年までにカーボンニュートラルを達成するという目標はフランスも日本も同様です。
達成のためにどのようなシナリオを描いていくべきか、フランスも日本も模索中です。