カーボンニュートラルと火力発電
日本は2050年までにカーボンニュートラルを目指すとしています。
カーボンニュートラルとは、二酸化炭素(CO2)の排出量と吸収量がプラスマイナスゼロになるということを意味しています。
ただ、カーボンニュートラルといっても、発電方法で火力発電の比率がゼロになるわけではありません。
火力発電は続けるということです。
発電における再生可能エネルギーの比率は50%程度で検討しているというのが現状です。
国連がやめるように各国に呼び掛けている中で、新規の石炭火力発電所の建設も続けています。
COP25でのグテーレス国連事務総長の、今だに多数の石炭火力発電を計画・新設している石炭中毒の地域があるという発言は、日本を指しているものと思われます。
実際、小泉環境大臣もグテーレス国連事務総長の発言は日本に向けたものだと認識しているとしています。
温暖化対策に消極的と認定される「化石賞」も与えられました。
火力発電の技術革新により、クリーンな火力発電を目指していくというのが日本の流れとなっていますが、いくらクリーンな火力発電でも「火力発電はな火力発電」です。
CO2以外の汚染物質も排出していますし、90%削減したとしても10%は削減できずに放出してしまっているわけです。
総量が多ければ10%とはいえ無視できる量ではありません。
そもそもCO2を排出しない発電方法が他にあるわけですから、地球環境を真剣に考えているのであればそちらにシフトするのが自然です。
実際、ベルギーなどでは石炭火力発電所は廃止済みで、フランスやイギリス、イタリアもここ数年で廃止すると表明しています。