実は怖い貧血。貧血の多いインドの妊婦の出産リスクを軽減する取り組み
日本でも貧血に悩む方は多く、とくに女性の約10%は貧血であると言われています。
貧血の約7割は鉄分不足によって引き起こされるIDA(鉄欠乏性貧血)です。
鉄は、血液中で酸素を運ぶ役割をするヘモグロビンを構成している大切な成分となっていて、足りなくなると、ヘモグロビンの体内での生成が停止して徐々に減少していき、貧血となってしまいます。
とくに妊婦さんは貧血になりやすいです。
胎児は母体からの栄養によって成長していきます。
妊婦さんの体内の栄養を胎児に供給することが必要になるため、母体の鉄分も不足して貧血になりやすいのです。
世界を見渡すとインドの貧血罹患率が高くなっています。
インドではベジタリアンの方が多く、鉄分を多く含んだ魚や肉を摂取しない傾向にあることが原因です。
とくに、インドの妊婦さんの約6割が貧血というデータもあります。
こうした貧血を改善するために有効とされているのが「鉄なす」で、この鉄なすでインドの妊婦さんを支援しようという活動が行われています。
https://readyfor.jp/projects/tetsunasu-india
鉄なすをなべに入れて調理することで鉄分を摂取して貧血を改善していくことが可能です。
実際、カンボジアでも「鉄の魚」を用いて貧血を改善するという取り組みが行われていて、9ヶ月で貧血患者数が半減するという効果を上げています。
鉄なすも鉄の魚も日本の伝統工芸品である南部鉄器の技術が使われていて、くり返し使用できます。
世界保健機関のWHOの調査では、アジアやアフリカなどの発展途上国の多くの国々で4割から6割の妊婦さんが貧血であるというデータが出されています。
日本国内の貧血対策支援にとどまらず、貧血の多い世界の国々への支援策としても注目されます。