豊な植物の光合成を人工光合成へ
植物の成長は豊かです。
冬場は茶褐色に枯れはててしまったような空き地が、春になるとみずみずしい緑色に覆われたりします。
太陽の光をしっかり浴びて、その光の方向にぐんぐん成長していく様はある意味動物のような力強さを感じます。
植物は太陽のエネルギーを利用して成長します。
太陽の光と二酸化炭素と水から光合成を行います。
光合成によりブドウ糖を作り、そのエネルギーで成長します。
また、光によって水を分解して酸素を発生させます。
植物や木が生い茂る森林地帯だけでなく、地球全体において植物の光合成は重要な役割を果たしています。
酸素を吸って二酸化炭素を排出するという動物の呼吸と逆の働きをする植物の光合成がバランスをとりながら生態系は維持されてきたわけです。
近年はこれまでの生態系では存在しなかった人間の社会活動から二酸化炭素が大量に排出されるようになりました。
二酸化炭素などの温室効果ガスが増加した影響で地球全体の気候変動が懸念されていますし、実際に影響が出始めています。
植物の豊かな光合成とは対照的に人間の社会活動も地球全体に無視できない影響を与えています。
このままの状態が続くと取り返しのつかない生態系への影響が起こる可能性があります。
とはいえ、人間の社会活動も後戻りはできません。
考えるべきは、エネルギーの生み出し方です。
化石燃料を燃やしてエネルギーを生み出し、二酸化炭素を排出するのではなく、二酸化炭素を排出しないエネルギーの生み出し方が求められます。
太陽光を利用した太陽光発電、風力発電など、できるだけ地球環境に負の影響を与えない方法が普及していく橋渡しの時代に私たちの時代がなれるかどうかがポイントです。
次回は、植物の光合成をモデルとした人工光合成についてです。