人工光合成に期待できること
前回は植物の光合成についてでした。
地球上に生きる生物にはそれぞれ担う役割があります。
植物は光合成をすることで大きな役割を担っています。
人間も同じ生態系に暮らすものとして、地球全体の一部という意識を持たなければなりません。
社会活動に大量のエネルギーを消費するため、これまで化石燃料などの地球資源を消費して、大量の温室効果ガスを排出してきましたが、そのサイクルを改善していく必要があります。
その手段の一つとして人工光合成が挙げられます。
植物が行う光合成を人間も人工的に行えるようにしようというものです。
水と太陽光をもとにエネルギーや有機化合物を生み出すことを目指します。
地球にふりそそぐ太陽光は地球にとって貴重なエネルギー源です。
これまでは太陽光発電という形でエネルギーに返還して利用する方法がおもにとられてきました。
人口光合成はそれとは別の大きな柱となりうる利用方法になります。
人口光合成の研究には主に2つの流れがあります。
一つは、光エネルギーを用いて、水を分解して水素を作るというもの、もう一つが二酸化炭素を還元して有機化合物を作り出すというものです。
前者は植物でいうところの明反応と呼ばれるもので、後者は暗反応と呼ばれるものです。
水素を作り出すことで、エネルギーに変換することもできますし、貯蔵する技術も進化していますので、代替エネルギーとしての利用価値も今後さらに高まるものと思分けます。
また、二酸化炭素から有機化合物を作り出すことができれば、排出された二酸化炭素を回収していきつつ、有効利用につなげられる可能性もでてきます。