ビルだけでない街の発電
前回はガラスを用いた太陽光発電で、ビルの窓を発電システムにして都市で電気を作るというものでした。
ビルの窓を有効活用する太陽光発電は土地が狭い日本にはベストマッチです。
さらに、発電方法は多種多様です。
都市での日常生活を利用した発電の一つに床発電があります。
すでにJR東日本が実証実験を行っています。
東京駅の八重洲北口と改札内の階段に設置された発電床を利用客が歩くことで発電します。
床の上を歩行する時に発生する振動エネルギーから圧電素子通して発電するというしくみです。
圧電素子とは振動や圧力を電圧に変換する素子のことです。
初回の実験では、1人が通ることで1ワット/秒の発電能力でしたが、改良されて発電能力の増大することが期待されています。
とくに大都市では朝の通勤通学ラッシュの際にはかなりの人数が駅を利用します。
そのエネルギーを発電に生かすことは画期的です。
イギリスでも道路を踏む力を利用した発電が行われています。
ロンドンのウエスト・エンドのバードストリートには、2012年のロンドンオリンピックに合わせて、歩くことで発電できる道路が設置されました。
こちらは人が踏むことで道が沈み込み、その負荷を電力に変換します。
発電された電力は、その道に流れる音声や照明に使われていて、自分が発電した電力を体感できるようになっています。
街づくりの際にインフラとしてこうした発電するしくみを取り入れることで、まさに持続可能な新たな都市が生まれていくことが期待できそうです。