エゾリスの交通事故を防ぐ
日本の野生に生息するリスの中で北海道に生息するのがエゾリスです。
北海道にはエゾシマリスも生息しています。
エゾリスは、エゾシマリスよりも大きく22~25cmの体長になります。
エゾシマリスは冬眠をしますが、エゾリスは冬眠をしません。
冬眠をしないため、秋ごろからエサが手に入らなくなる冬に向けて準備を始めます。
リスの中でも力持ちとされていて、自分の体重の3分の1の重量のものも運ぶことができます。
冬に備えて地面に木の実を埋める習性があり、必要な時に50cmの積雪を掘って潜って餌を探し出すこともできます。
市街地の公園に生息する個体も少なくありません。
天敵が少なく、冬でも餌が不足しない街中のほうが暮らしやすいのかもしれません。
とはいえ、多くは市街地から離れた森の中に暮らしています。
もともとリスが住んでいた森の木が伐採され、森が分断されて、仕方がなく市街地に住むようになったとも推測できます。
木から木へと移動するエゾリスにとって森が自動車道路によって分断されることは死活問題です。
やむを得ず自動車道路を横断して交通事故に遭うエゾリスも多いてす。
リスなどの動物の事故を防ぐ手段としてアニマルパスウェイがあります。
アニマルパスウェイは道路の上空を動物が横断できるようにする歩道橋のようなものです。
道路開発の際に自然保護の観点から設置されるようになってきましたが、どの程度効果を上げているかは不明な点も多いのが現状です。
効果的なアニマルパスウェイの設置方法はどのようなものなのか。
「アニマルパスウェイさえ設置すれば道路開発が進められる」というような免罪符のようなものになってしまってはいないか。
検証を続けてフィードバックする研究は重要になります。
帯広でアニマルパスウェイの検証・研究を進める活動が行われています。
https://readyfor.jp/projects/ezorisu
アニマルパスウェイを設置するだけでなく、設置後に有効に機能しているかどうかを検証して改善していくことが求められます。