誰にも着られないまま捨てられる服たち
日本では年間100万トンもの服が廃棄されています。
その中には販売されずに処分される衣料も多くなっています。
一度も売り場に出されることなく、焼却されものもあります。
近年、ファストファッションが浸透し、低価格で衣料品を手に入れることができるようになりました。
そのため、アパレルメーカーは生き残りをかけるために価格を下げざるをえません。
価格を下げるためには大量生産が必要になります。
大量生産をして、売れ残った場合は大量の在庫が発生し、廃棄処分されます。
一方で、ブランド価値を守るための廃棄処分もされています。
イギリスの高級ブランドのバーバリーは、衣料品やアクセサリーなど40億円にものぼる売れ残り商品を廃棄処分していました。
高いブランド価値を価格に上乗せして販売する手法のいわゆる高級ブランドのメーカーの場合は、ブランド価値が下がると高額の上乗せ金額を乗せることができなくなり利益が減ってしまいます。
売れ残り品が安く売られてしまったり、転売されてセール価格で販売されると、これまでのように正規価格で高い上乗せをして売りさばくことができなくなってしまうのです。
会社の利益を守るために服は廃棄されます。
しかも、廃棄業者が横流しして市場に出ないように徹底して焼却処分されます。
大量生産して大量廃棄も産むビジネスモデルやブランド価値を高めて利益を上げるというビジネスモデルは否定されるべきものではありませんが、その背景にあるものを消費者もきちんと注視していくことも必要です。
廃棄が大量に発生するアパレルメーカーの構造に一石を投じる活動も始まっています。
https://readyfor.jp/projects/stockfactory
どんなファッションに自分の大切なお金を使うのか。
考え直す機会に来ているのかもしれません。