衣服廃棄禁止令があるフランス
前回は、1年間着られない服が25枚あるという内容でした。
衣服を作るには綿花などの原料の生産だけでなく、加工や物流でも多くの環境負荷が発生しています。
環境意識の高まりなども少なからず影響して、リサイクルの手段や企業サービスも増加して、古着を売買するということが身近になってきています。
ただ、売る側の問題も大きいです。
大量生産大量廃棄で、売れ残った衣服の在庫を大量廃棄しているという現実があります。
とくにブランド価値の高いとされるメーカーでは、値引き販売されることでブランド価値を損なわないように大量廃棄が行われてきました。
買う側だけでなく販売する側も意識変革が求められています。
フランスでは2022年1月に世界初となる衣服廃棄禁止令が施行されました。
売れ残った新品の衣類を企業が焼却や埋め立てなどで廃棄することを禁止する法律です。
「廃棄禁止及びサーキュラーエコノミーに関する法律」という名称です。
食品以外の在庫の廃棄を禁止しているので、衣服だけでなく家電などの売れ残りを廃棄することも禁止されいます。
フランスでは2020年に循環経済法が制定されて、資源の有効活用やリサイクル促進による環境負荷の低減を目指しています。
今回の廃棄禁止令はそれを具体的にしたものになっていて、2030年までに家庭からの廃棄物の15%、企業などの廃棄物を5%削減することを目指しています。
日本でも1年間に28億枚の洋服が生産されており、約15億枚が売れ残ったまま廃棄されているという現状があります。
独自の取り組みをスタートしている個々のファッション企業もでてきていますが、フランスを参考にすることも必要になるかもしれません。