かつては世界各国とも食糧は自給自足に近かったはず
かつて世界は未開の地にあふれていました。
ある一つの国を基準とすれば、国交や人の行き来のある国々は限られており、知らない土地や国ばかりでした。
つい最近まで地球全体は、そのような状態でまわっていました。
その後、船や飛行機などの交通手段により、世界中を人が行き来するようになります。
地球全体にどのような国があり、自分の国はどのような位置にあるのかがわかるようになります。
貿易も活発になり、輸送手段の発達により、その量も大規模になっていきます。
食糧に関していえば、各国とも昔は自給自足に近い物だったはずです。
どれだけ自国で食糧を確保できるかが国の豊かさの大きな指標にもなっていました。
技術革新でさまざまな産業が生まれると、それまで農業に従事していた人々が他の産業にも流れます。
さらに世界規模での貿易が拡大すると、農業についても国ごとの分業が自然と進んでいきます。
農業を中心に行う国、工業が主な国など、特徴がわかれていきます。
産業の中心が工業など農業以外になった国では、工業製品の輸出で稼いで、食糧は輸入に頼るというケースも増えていきます。
自分の国で作らなくても輸入によって賄える。
確かに安定した世界の状況であれば、それでうまくいきます。
地球全体が一つの国のように良好な関係を保てていれば、むしろその状態の方が理想とも言えます。
ただ、いったん世界情勢に摩擦が起きると、自国で食糧を賄えないということは大きなリスクにもなりえます。
2000年前の人間はスマホもテレビも自動車も所有していませんでした。
でも、食べ物を食べて生きていました。
今の私たちは、スマホもテレビも自動車も所有していますが、2000年前と同様に食べ物がないと生きていけません。
現在、食糧不足で飢餓状態の人々がいる一方で、大量の食品を廃棄している国もあります。
食糧のこと、食べるということについて真剣に考えるタイミングにきています。