日本の食糧自給率はなぜ低い
1946年。日本の食料自給率は88%でした。
それが2020年は37%にまで下がっています。
食卓に上がる食べ物の約3分の2を外国からの輸入に頼っているという計算になります。
なぜこれだけ極端に食糧自給率が下がったのか。
戦後の日本人の食生活の変化により、主食であった米だけではなく、パンやパスタなども食べられるようになり、肉の消費が増えるなど、食の欧米化が影響しているとされています。
収容先進国の中でも日本の食糧自給率の低さは際立っています。
アメリカは約130%、オーストラリアは約220%と輸出も多いため、数値が100%を超えています。
ただ、この数値はカロリーベースでの計算により算出されています。
カロリーベースではなく生産額ベースで算出すると日本の自給率は66%(2018年)になります。
アメリカは92%、オーストラリアは128%となり、フランスが83%、ドイツが70%と日本に近いレベルになり、イギリスは58%と日本を下回ります。
実は、この生産額ベースの算出方法は世界的にも主流になっていて、カロリーベースで算出している日本は少数派です。
生産額ベースの計算方法は、国内の食糧生産額÷国内の消費量をベースにシンプルに計算されます。
たとえば、野菜などは自給率が70%を超えていて高い水準にあるのですが、カロリーが低いため、カロリーベースでは低く見積もられてしまいます。
こうした野菜のような事例が反映されるため、生産額ベースでは日本の自給率は高くなります。
一方、カロリーベースでは食品のカロリーを元に算出されます。
その際に正確に算出するため、輸入された穀物や飼料で育てられた牛や豚、鳥などは、その割合分を外国産として計算します。
そのため、国内で飼育された畜産物については100%国内産としては計算されていないのが現状です。
このように生産額ベースかカロリーベースかといった算出方法の捉え方の違いはありますが、自給率が大幅に減少してきたということには変わりはありません。
日本の自給率の低さの一つの要因に、食品ロスが多いことも挙げられます。
自給率計算の際に、廃棄された食品の量も含まれてしまうからです。
また、農業従事者の高齢化による生産額の伸び悩みも懸念されています。
次回は日本の農業について取り上げてみたいと思います。