世界有数の森林率を生かす林業
日本の国土は約38万平方キロメートルです。
そのうち約25万平方キロメートルが森林です。
日本は国土の2/3が森林で、世界有数の森林率を誇ります。
森林資源が豊かなため、昭和30年には木材自給率は約95%でした。
その後、外国産の木材が輸入されるようになり、平成12年ごろには自給率は2割を切るほどまでに減少しました。
現在の自給率は3割程度まで持ち直してきていますが、ピーク時に比べると低い水準になっています。
林業には主伐と呼ばれる木材出荷のための伐採だけでなく、間伐などの森林の整備や手入れの作業が必要となります。
林業従事者の高齢化による後継者不足や国産木材の価格の低迷や収益性の悪化によって、森林の手入れの作業を行う費用をカットせざるを得ない状況となり、森林の放置が問題になっています。
手入れのされない森林は自然災害に弱いです。
とくに日本の森林の4割を占める人工林では、伐採が行われず木が混み合うと、日光が森林内に届かなくなり、下草や低木が育たなくなります。
そうなると土壌が弱くなり、土砂災害を防いだり、洪水を緩和する機能も果たせなくなります。
人工林の多くが針葉樹であるスギやヒノキで、針葉樹の葉は広葉樹の葉と比較して土壌にかえりにくいことも少なからず影響しています。
世界的には森林の減少が叫ばれていて、地球温暖化への影響が懸念されていますが、日本の森林面積は減少していません。
日本ではむしろ森林の手入れを行いつつ、豊富な森林資源を有効活用することが求められています。
最近は、自伐型林業を見直そうという自伐型林業塾という活動も行われています。
https://readyfor.jp/projects/zibatsu2019
大規模な伐採機器などの設備投資を必要とせず、森林内に小さな作業道を整備して作業を行うため、参入障壁も低いのが自伐型林業の特徴です。
実際、自伐型林業塾の参加者により手入れされた森林では、災害が発生した地域であっても山が崩れることはなかったようです。