手仕事の強みを生かして雇用を創出する
人類がはじめて道具を使ったのはいつか。
これまでは200万年前の初期人類のホモ・ハビリスが石器を作ったのが最初と言われてきました。
しかし2000年にエチオピアで260万年前の石器が発見され、さらに古くから道具が使われてきたことを示しています。
200万年前と260万年と聞くと、それほど変わらないのではないかという錯覚に陥りますが、その差の60万年という期間を創造してみてください。
日本でいう邪馬台国の卑弥呼の時代から現在までは、たかだか2000年ほどです。
60万年というのはその300倍です。
それほど長い間、人間はモノを作り続け、太古からそのモノの種類も数も増え続けています。
狩猟道具の石器から食器、衣服に始まり、住居も建設され、紙に記録を残すようになり、芸術が生まれ絵画や楽器も創られました。
モノのなかった時代からモノのある時代になり、世界はモノで溢れるようになり、モノに埋め尽くされつつあります。
さらに、最近はそのモノの性質が変化していることに気づきませんか?
260万年前に初めて石器がつくられてから、人間は手作業でモノを生みだしてきました。
ホモ・ハビリスの時代も卑弥呼の時代も、モノは手作業で作られてきました。
産業革命でモノの大量生産が始まったのが、ここ数百年ほど。
手作業で作られたモノたちに混じって、工場で大量生産されたモノが増えていきます。
それでも数十年前まで多くのものは手作業で作られたものでした。
最近、ふと周りを見るといわゆる「手作業」で作られたモノが少なくなっていることに気づきます。
道具が作られてから260万年、産業革命から数百年。
そして、手作業で作られるモノが減ってきている現在。
手作業が減ってきている今、手作業の美しさや魅力が見直されてきているようにも感じます。
手作業の担い手である職人の方は後継者不足で、後継者が途絶えるとその伝統技術を復活させるのは困難だと言います。
日本だけでなく世界的に見ても大量生産のモノにない手作業で作られたモノの魅力を復活させようという活動は行われています。
https://readyfor.jp/projects/sabasaba
手作業の価値が再認識されることで雇用の創出にもつながります。