地熱エネルギーの有効利用に舵を切ったインドネシア
インドネシアは世界第4位の2.5億人という人口を抱えています。
人口の約半分が30歳未満であり、経済成長も著しい国です。
石油や天然ガス、石炭といったエネルギー資源が豊富で、これらの輸出により、成長を続けていました。
ただ、近年は資源の輸出割合を引き下げて、加工貿易など付加価値の大きい産業を育てようという政策の下でさらなる発展を遂げています。
日本の2倍ほどの人口による大きな国内市場があることも強みです。
年齢別の人口比率からしても若く労働人口に恵まれています。
この莫大な労働力を有効利用することで、今後の大きな成長が見込まれます。
成長とともに必要となるのがエネルギーです。
輸出するほどのエネルギー資源があるインドネシアですが、それでも再生可能エネルギーの有効利用を課題としています。
インドネシアは日本と同様に太平洋造山帯に位置する火山の多い国です。
地下に眠る地熱資源量ではアメリカについで世界2位となっています。
反面、地熱の利用率は3%ほどで活用が進んでいませんでした。
インドネシア政府は豊富な地下資源を有効利用して、2025年までに地熱発電のエネルギー供給比率を5%にまで引き上げる政策を掲げています。
地熱発電の利用は、これまで長期にわたり費用対効果が悪くリスクが高いと敬遠されがちでしたが、近年は技術革新により、多くの地熱発電所も稼働を始めていて、有望な自然エネルギーとして再注目されています。
日本企業もインドネシアの地熱発電に技術提供をしていて、重要な役割を担っています。
実は日本も地熱資源量ではインドネシアに次ぐ世界3位に位置していますが、地熱発電設備の容量では世界8位でインドネシアの半分となっています。
日本企業の最先端の技術力を日本国内向けにも有効活用できる環境が日本に整うことが求められています。