知らないこと、知っていること
10,000円札1枚と1円硬貨10000枚。
どちらも貨幣価値としては10,000円です。
「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律施行令」にて1度に使える1円玉は20円までで、それ以上は断っても良いと定められていますので、さすがに店で1円玉を10,000枚を使う買い物をすることは難しいですが、理論上は同額の買い物ができます。
10,000円札は10,000円の価値、1円玉は1円の価値という共通認識が一般社会で出来上がっているからです。
ちなみに、1円玉の製造原価は約1.8円、10,000円札は約25.5円です。
1円玉が10,000枚で18,000円、10,000円を1枚で25.5円となり、圧倒的に1円玉の製造コストのほうが高くなっています。
1円玉は製造すればするほど、赤字になるなんてビックリです。
もしも、1円硬貨と10,000円紙幣の共通認識がないのであれば、両者の価値は逆転することになります。
さらに、それぞれの原料のアルミニウムと紙の希少価値によってもその価値は変動することになるでしょう。
この地球上には様々な国や民族が暮らしており、それぞれの価値観の元に社会が形成されています。
ある地域では無価値のものが、別の地域では高値で取引されているという事象は多数存在します。
インターネットの普及により、そうした情報は一瞬で世界を巡ります。
ある地域で高い価値を持つものを、別の地域でタダ同然で手に入れて商売することも可能です。
実際、良質の情報を如何に獲得するかは情報先進国のビジネスでは必須のスキルとなっています。
こうした情報社会の高度な発展は、大きな情報格差を産んでしまいます。
情報網からもれてしまっている開発途上の地域では情報は入って来ませんので、情報を持つ者から一方的に搾取されてしまうという現実があります。
情報格差を利用して搾取するのではなく、正当な対価を支払おうというフェアトレードの意識は少しづつではありますが広がりつつあります。
たとえば、モザンビークではモリンガが有用な植物であるという情報を共有して農村を豊かにしていこうという活動が行われています。
https://readyfor.jp/projects/yanbemoringa
モリンガは、人体に必要な栄養素が90種類以上も含まれている「奇跡の木」とも呼ばれる植物です。
モザンビークでは、そのモリンガがいたるところで収穫できます。
世界中でサプリや健康食品として流通しているのですが、現地の人はそのことを知りません。
モリンガの価値を認識することで、栄養のある食品として利用できるだけでなく、新たな産業、収入源にもなることが期待されます。