日本の羽のない風車は台風発電
前回はスペインの企業による羽のない風力発電についてでした。
スペインをはじめヨーロッパでは日本よりも風力発電が浸透しています。
平らで広い土地があり、風が吹く方向はほぼ同じ向きであるという特徴が風力発電に向いているからです。
日本は平地が少なく、季節風の影響を大きく受けるため、風の吹く方向も常に変化します。
夏には台風が接近したり、上陸することもあり、風車自体が破壊されてしまうリスクと正面から向き合わなくてはなりません。
そうしたデメリットを克服しつつ羽のない風車を開発したのがチャレナジーの「垂直軸型マグナス式風力発電機」です。
どの方向から風が吹いてもマグナス効果により発電が可能です。
マグナス効果とは回転する物体に対して垂直方向に力が働く現象のことです。
野球で投手が投げるボールが回転して変化する原理でもあります。
チャレナジーの風力発電では、円筒の構造物を回転させることでマグナス効果を起こして発電を行います。
一般的な風力発電のような羽がないため、風向きの影響は受けませんし、台風の際にも破損するリスクは低くなります。
ときには台風の風を利用して強力に発電することも可能になります。台風をリスクとしてとらえるのではなく、逆に利用してしまおうという発想です。
円筒の回転を制御することで発電量の調整も可能ですし、風速4メートル程度から発電が可能になります。
島国で季節風の影響を受けたり、台風のリスクも考慮しなければならない日本ならではの風力発電です。
台風のエネルギーは大型になると日本全体の発電量の50年分に相当するという試算があります。
このエネルギーを電力に変えてしまおうというチャレンジが日本でも行われています。