介護の仕事をしたくなる環境を整える
高齢化が進んでいる日本では介護環境の充実が急務とされながらも、その環境はなかなか整備されていきません。
厚生労働省による介護保険事業状況報告(平成31年4月暫定版)によると要介護・要支援認定者数は600万人を超えています。
2000年には2000万人レベルでしたので約3倍に増加しています。
要介護などの認定を受けている方だけでもこのような多数となりますが、認定を受けていないものの介護の必要があるという方はさらに多い数になっていきます。
この数は今後も増え続けることは明らかです。
それに対して、要介護者を受け入れる側の施設も介護職に従事する人材も不足しています。
既存の介護施設でさえ、半数以上が従業員が不足しているというのが現状です。
2025年までには250万人の介護職従事者が必要になると言われている中で、現状は200万人前後です。
数十万人の人材を育成していかなければならないですし、そもそもの従事希望者が増加しなければ破綻してしまうことになります。
介護が必要なのに介護を受けられないという介護難民が大量に生まれてしまうことにもつながります。
激務となる仕事内容に加えて賃金レベルや勤務環境についても改善していくことが重要なのですが、なかなか前進しません。
それどころか介護職はきついというイメージが定着しつつあるのが現状です。
介護を家族が行うケースも多いです。ただ、介護レベルが上がってくると素人での介護は難しくなります。
介護は誰にでもできる仕事ではありません。専門技術や豊富な経験が必要な仕事です。
医者のようにもっと報酬も高くなって然るべきですし、労働環境も改善されるべきです。
介護従事者の労働環境を改善していこうという活動として、訪問看護師の方たちが休憩して情報交換を出来る場を作るというものがあります。
https://readyfor.jp/projects/care-station
要介護者の自宅が職場となる訪問介護の従事者の方たちが、個別に抱えがちな悩みや課題を共有したり、食事や休憩を一緒にとれるスペースをつくっていくという活動です。
地元で一人で家族介護を行っている方たちも巻き込んで、介護をする人のための開かれた場となっていくと良いと思います。
介護を行う人がイキイキと輝ける現場が増えていくと介護全体のイメージも改善されて、風向きも変わっていくはずです。