ニホンライチョウを絶滅から救う
ニホンライチョウは日本の特別天然記念物です。
全長37cmで氷河時代から生き残る貴重な鳥です。
標高2,200メートルから2,400メートル以上の高山帯に生息する事が多く、中部地方の頸城山塊、飛騨山脈、御嶽山、赤石山脈にのみ生息しています。
かつては中央アルプスや八ヶ岳でも生息していましたが、登山者の増加により捨てられた食べ物などを狙って、ニホンライチョウの天敵であるキツネなどが生息域に入って来たため、捕食されて絶滅してしまいました。
信州大学の調査では1980年代には3000羽と推定されていた個体数が2000年代には2000羽にまで減少したとされています。
1993年には国内希少野生動植物種に指定されています。
原因としては、天敵であるキツネやカラスが生息域に侵入してきて捕食されたこと、ニホンジカやニホンザルなどにより餌である高山植物が採食されてエサが減少したことなどが主なものとして挙げられます。
最近の調査では、ニホンザルがニホンライチョウのヒナを食べていることも確認されています。
国の特別天然記念物でありながらも絶滅危惧種に指定されているニホンライチョウを守る活動が富山市ファミリーパークで行われています。
https://readyfor.jp/projects/nokoso-raichio-familypark
2015年に人工飼育でふ化させることに成功していて順調に成長しました。その後も孵化・育雛に成功し、繁殖技術も確立させつつあります。
ただ、ニホンライチョウが絶滅寸前であることは、広く知れ渡っているとは言えないのが現状ですので、今後も登山者なども巻き込んで周知させていくことが望まれます。