下水処理をする微生物
微生物というと中学校の理科で学んだミジンコやゾウリムシを思い浮かべる方が多いと思います。
地球上には他にも様々な微生物が存在します。
学名がついている細菌などを含めた微生物は1万5000種類ですが、実際には学名がついていないものまで含めると数百万種いるとも言われています。
微生物のそれぞれが地球の自然に溶け込んでいて、様々な働きをしています。
中には、人間の社会生活に欠かせない微生物も存在します。
その一つが下水処理をする微生物です。
下水の排水に含まれる有機物を微生物に分解してもらう方法を生物処理といいます。
まず、汚れた水の中に微生物を入れます。
加えて酸素を吹き込むことで微生物の活動を活性化させると、下水内の有機物をどんどん消費してくれます。
有機物を食べて増殖した細菌に対しては、それを食べる原生動物を送り込んでいきます。
水より重い微生物は水底に沈んでいくため、汚水は浄化されます。
下水処理で活躍する微生物にはアスピディスカ,ツリガネムシ,イタチムシ,クマムシやアメーバなどがいます。
アスピディスカはカラダにトゲ状のものがあり、そのトゲを動かして移動して細菌を食べます。
ツリガネムシは名前の通り、釣鐘のような形をしているのが特徴です。口の部分に繊毛があり、それを動かして細菌をかき集めて食べていきます。
イタチムシはイタチのような形をしていることから名づけられました。活発に動いて、微生物の死骸などを食べます。
クマムシは爪や足があり、ゆっくり歩き回ります。口に針があり、それを生かして食べ物を食べます。卵を産むのも特徴の一つです。
アメーバは学校の授業でも紹介されることが多い微生物です。形をさまざまに変化させながら移動して細菌を食べます。
下水処理場ではこうした微生物たちが活躍しているわけです。