オオハンゴウソウとミズヒマワリも特定外来生物
前回のオオキンケイギクと同様に黄色い花をつけるのが、オオハンゴウソウです。
オオハンゴウソウも特定外来生物です。
元々、北アメリカのケベック州やフロリダ州が原産で、日本には分布していなかった植物です。
明治時代の中期に園芸植物として入ってきて、現在は北海道から本州にかけて広く分布しています。
2006年2月から「外来生物法」で特定外来生物に指定されているため、栽培や移動することが禁じられています。
日光国立公園の戦場ヶ原では、オオハンゴウソウの生息域拡大に伴い、ホザキシモツケなどの在来種の湿原植物の減少が認められています。
寒冷地に生育できるため、北海道や東北の湿地でも影響が出ています。
ミズヒマワリも特定外来生物になります。
葉がヒマワリに似ていることからミズヒマワリという名称になっています。
中南米原産ですが、戦後に熱帯魚とともに日本に入って来たものと思われます。
1995年には野性での繁殖が確認されました。
他の特定外来生物と同様に繁殖力が非常に強く、水辺で広がるため、一気に拡大して水面を覆ってしまいます。
在来種の水草のみを駆逐してしまう影響だけでなく、漁業の妨げにもなっています。
葉や茎の一部からでも繁殖できるため、慎重な駆除活動が必要になります。
かつて琵琶湖でもミズヒマワリの生息が確認されましたが、早期から的確な駆除活動を行ったため、現在では根絶されています。
ただ、ミズヒマワリと同様の被害をもたらす特定外来生物のオオバナミズキンバイやナガエツルノゲイトウはさらに強い繁殖力があり、琵琶湖でもこちらの駆除活動は現在も続いています。
特定外来生物の中には、わずかな葉や根からも繁殖できるこうした植物も多く、専門家の知識とともに計画的な駆除活動が必要となります。