プラスチックをリサイクルして作られた表彰台
東京オリンピック2020大会が終わりました。
新型コロナウイルスの蔓延の中、異例のオリンピックとなりましたが、幕を閉じることができました。
前回、前々回はオリンピックを通して発信される環境への取り組みについてでした。
今回はアスリートの活躍を称賛する舞台となる表彰台についてです。
今回のオリンピックの表彰台は日本の伝統的な藍染めがイメージされる色合いで、エンブレムをデザインした野老朝雄さんが担当しました。
側面は、東京2020エンブレムのコンセプトである「組市松紋」が立体化されたものとなっています。
そして、表彰台の材料は使用済みプラスチックをリサイクルしたものが使われています。
表彰台が100%のリサイクル素材で作成されるのはオリンピックでは初となる試みで、使い捨てプラスチックを再生利用した表彰台プロジェクト、みんなの表彰台プロジェクトにて材料が収集されました。
回収は全国のスーパーマーケットや学校で行われ、教育現場である学校での使用済みプラスチックの回収は将来を担う子どもたちの環境意識が芽生える機会にもなりました。
こうして回収された使用済みプラスチックは24.5トンになりました。
また、海洋プラスチックの環境課題もある中で、別に集められた0.5トンの海洋プラスチックもその中の一部に使われることになりました。
表彰台のオリンピックシンボルマークの部分は東日本大震災の被災地に建てられた仮設住宅のアルミ廃材を再利用して作られました。
これらのリサイクルプラスチックで98台の表彰台が完成し、競技のメダル授与式にて活用され、感動の場面の演出に貢献しました。
コロナ禍の中、無観客で競技が行われる異例続きのオリンピックでしたが、持続可能な社会を目指す取り組みも世界に向けて発信できたのではないかと思います。