なぜプラスチックゴミは海に流出するのか
海洋ゴミ、とくにプラスチックごみの問題は年々、深刻になっています。
企業や社会全体もプラスチックの使用を減らす取り組みを始めています。
では、なぜプラスチックでできているレジ袋や使い捨てスプーンが海のゴミになってしまうのでしょう。
多くの家庭ごみは定期的にゴミ収集されています。
ゴミを海に廃棄するというイメージはあまりないですよね。
もちろん、家庭ごみを海に捨ててしまうというケースもゼロではありません。
決められた収集日にゴミを捨てるのが面倒で海に投げ捨てたというケースもあります。
海上保安庁によると、海にゴミを捨てる不法投棄を行い廃棄物処理法違反で検挙された件数は2020年で95件ということです。
もっと大きな要因がありそうです。
実は、海洋ゴミの多くは直接海に捨てられるのではなく、河川から流れ出ていきます。
意外かもしれませんが、内陸のから河川によって海に流されていく経路が70%から80%を占めています。
たとえば、道にポイ捨てされたペットボトルは風や雨などによって川に落ちて流れていきます。
川の流域であれば、そうしたケースも多くなり、ゴミ置き場やゴミ箱に捨てられたレジ袋入りのゴミも川まで風に飛ばされてしまうケースが少なくありません。
プラスチックは軽いので容易に風や雨に流されます。
川沿いに道路が建設されていることも多く、直接に川にゴミを投げ捨てるというケースも多いです。
昔から、こうした事例は発生していたのかもしれません。
逆に、今の方がマナーは守られてポイ捨てする人の割合が減っているのかもしれません。
ただ、発生割合は減っているとしても、現在はプラスチックごみの総量自体が多くなっているため量自体は増加していると考えられます。
他の材質と比較して、プラスチックは土や海に吸収されるということがなく、漂い続けるという特徴があります。
細かく分断されますが、吸収されるまでには長い年月を要します。
海には年々細かくなったマイクロプラスチックが蓄積していきます。
そのスピードが速まっている今、やはり、身近なプラスチックごみを減らすことを考えていくことは大切です。