神棚に備える榊の9割が輸入品という現状
神事には欠かせない植物が榊です。
日本では神棚に飾る植物として定着していますし、神主さんが御祓いの時に振っているのも榊です。
ツバキ科に属する常緑樹で、神棚や神社などに飾られたものを目にする機会も多いです。
神様が宿る依代として用いられています。
依代(よりしろ)とは神霊が寄りつくもの、神霊の憑依物のことです。
日本では八百万の神という言葉があるように樹木などの自然物や人形、岩石などを依代として神が宿るとされています。
榊についても神霊が宿るとされ、神棚などに置かれています。
榊という文字は「木」へんに「神」と書きますよね。
神聖な植物として榊は古くから扱われてきました。
ただ、現在、日本で流通している榊の90%が中国産になっています。
かつては山に入って榊を採ってきてお供えするという習慣が日本にはありました。
その後、日本の林業は従事者の高齢化とともに衰退をし、管理されずに荒れる山も多くなりました。
国産の榊も供給量が減少していき、輸入の榊に頼るようになったのです。
輸送技術の向上により、冷蔵管理もできるようになり、中国から安価な榊が一気に入ってきて、市場を独占していき、現在に至ります。
神事に使われる榊は産地表示の義務がないため、気付いている方も多くはないと思いますが、神棚や神社で見かける榊のほとんどが中国産になっているのです。
最近は、現状を危惧する方も増えて国産の榊を復活させようという活動も行われています。
たとえば、産業が衰退している地方で榊の生産を本格化させようという活動です。
https://readyfor.jp/projects/higashishirakawamura
純国産の榊で村おこしをしていくことで、荒れた森林を復活させて、雇用を創出することを目指しています。
国産榊にとって代わった中国では困窮していた農村部の大きな産業として根付いているという現状を見ると、同様なチャンスが日本にもあると考えられます。
ましてや大切な神事に使用される榊です。
国産の榊ということを強く打ち出せば、需要も十分あると考えられます。