人口増加による食糧危機を昆虫食が救う
世界的に見ると栄養不足に苦しんでいる人の数は増加しています。
長きにわたって十分な食料を得られずに栄養失調に陥り、社会的な生活が困難になる飢餓状態にある人口は8億2160万人います。
また、年間970万人にもなる5歳未満の子ども達の死亡原因の53%は栄養の不足によるものです。
アフリカや東南アジアの国では、クワシオルコル(kwashiorkor)という病気になる子ども達も多いです。
クワシオルコルは、タンパク質とエネルギー摂取が極端に不足する事が原因で発症します。
大きくお腹が膨れることが特徴で、他の部分は極端にやせ細ってしまいます。
今後、地球の人口は増加をし続けて、2030年には90億人を超えます。
人口が増えると食糧不足はますます深刻になっていきます。
もはや、不可避である食糧不足の対策として注目されているのが昆虫食です。
2013年5月13日に国連食糧農業機関(FAO)も、食品や飼料としての昆虫類についての報告書を出しました。
昆虫食は、安全で安く、さらに栄養価も高いため、未来の食糧源として注目されています。
実際、昆虫を食品として食べている国も少なくありません。
アフリカで、南北アメリカ、アジア、ヨーロッパで99ヵ国が昆虫を常食としていて、その延べ人口は20億人に上ります。
新たな栄養源として昆虫食を普及させようという動きは世界各地で広がっています。
たとえばケニアではシロアリを食べる文化があります。
ケニアで食べられているシロアリは日本にいるシロアリとは別の種類なのですが、現地スワヒリ語でクンビクンビと呼ばれ、シロアリ100gで一日に必要なタンバク質、ビタミンB2、ビタミンA、鉄分、亜鉛を摂取することができます。
実際、シロアリは世界29カ国で食事や医療に用いられています。
シロアリは地球上でもっとも個体数の多い生物であり、熱帯の土に生息する昆虫の95%がシロアリというから驚きです。
シロアリによる持続的な栄養改善の活動も行われています。
https://readyfor.jp/projects/shiroariman01
シロアリをはじめ多彩な昆虫食が地球を救う時代が近づいています。