パプアニューギニアの青少年を水銀から守る
熊本県水俣市にあったチッソの工場が水俣湾に廃液を排出したことが原因で引き起こされた水俣病の経験により、水銀に強い毒性があることは、日本では比較的広く理解されています。海に流された水銀が魚や貝などの体内に入り込んで、その魚介を人間が食することで人の体内に水銀が入り込んで水俣病が引き起こされました。水銀は脳や神経を蝕んでいき、手足の震えが止まらなくなったり、視力や張力の低下などの症状が出ます。さらに妊婦の体内に入り込んで赤ちゃんにまで水銀が入り込んでしまうという事例も少なくありません。
パプアニューギニアでは金銀の精錬をアマルガム法で行う小規模事業者が多いのですが、この方法では水銀を空気中に蒸発させる作業工程があります。日本などでは、水銀の回収装置がない状況でのこの作業は禁止されています。ただ、パプアニューギニアなどの途上国では禁止されておらず、コスト面や簡易に行えることからアマルガム法での作業が広く行われています。空気中に水銀を放出するこの作業に従事しているパプアニューギニアの多くの青少年への健康被害が懸念されています。
こうした水銀のリスクを軽減するために「水銀クローズド回収循環システム」の開発を進めているプロジェクトがあります。
https://readyfor.jp/projects/NoMoreHg
環境汚染だけでなく人体にも被害をもたらす水銀。「水銀クローズド回収循環システム」により、今でも世界中で放出され続けている水銀を大幅に減少させることが可能になります。