浅蒸し茶と深蒸し茶の違いは何?
お茶には、浅蒸しと深蒸しがあります。
一般的に多くのお店で売られているお茶は深蒸し茶の方が多いです。
京都の宇治茶では浅蒸し茶の方が多いのですが、
生産量として京都より多い静岡や鹿児島では深蒸しが多いです。
浅蒸し茶よりも深蒸し茶の方が、誰でも簡単においしいお茶をいれやすいのが普及の理由のようです。
お茶畑から茶を摘むと、酸化発酵を止めるために「蒸す」という工程が行われます。
この時間が長いのが深蒸し、短いのが浅蒸しになります。
蒸す時間が長い深蒸し茶は葉が柔らかくなるため、「蒸す」の後の皇帝となる「揉む」の段階で葉が砕けて細かくなるのが特徴です。
逆に浅蒸し茶は蒸す時間が短いため、葉があまり崩れることなく、しっかりしています。
深蒸し茶は葉が細かくなっているため色は濃い緑ですが、浅蒸し茶は葉が崩れていないため、薄い黄色になります。
もともとはお茶は浅蒸し茶の製法で作られていましたが、昭和の時代になってから深蒸し茶の製法が確立され、淹れやすさなどから普及していきました。
深蒸し茶は、短時間でおいしいお茶が淹れやすい反面、2杯目は味が落ちてしまいます。
浅蒸し茶は、お茶を抽出するまでに時間がかかりますが、時間のかけ具合によって味や香りを調整できます。また、2杯目でも味が落ちないという長所も持っています。
京都では主流にある浅蒸し茶ですが、生産量の多い静岡県では生産する農家が減少しつつあります。
お茶生産の技術革新により、深蒸し茶のほうが味を均一化させて大量生産できるようになったため、伝統的な浅蒸し茶を生産する農家が減っているのが現状です。
静岡県で作られる天竜茶の浅蒸し茶を存続させようという活動も行われています。
https://readyfor.jp/projects/tenryu-tea
お茶は日本の伝統のものです。浅蒸し茶という伝統的な製法が途絶えてしまわないように、茶の製法や味の違いを理解していくことも大切です。