東ティモールで使われている言葉
東ティモール民主共和国は2002年5月20日に独立したばかりのアジアの国です。
16世紀にポルトガルの植民地となり、その後、オランダの進出により、ティモール島は東西に分割されました。
さらに1975年にはインドネシア軍が侵攻を開始し、1976年にインドネシアに併合されました。
その後、2000年以降最初の独立国として誕生したのが東ティモール民主共和国です。
現地の言葉はテトゥン語ですが、歴史的な背景により、多くの言語が混在して使われています。
ポルトガルの植民地であったため、年配の方はポルトガル語を話すことが出来ます。
インドネシアに併合されてからはインドネシア語で教育が行われていたため、その時代に当たる20代から30代以上の方はインドネシア語を使えます。
公用語はテトゥン語とポルトガル語ですが、世代間で使える言語が異なっているため不便も生じています。
教育の現場でも、独立により教科書に使われる言語がインドネシア語からポルトガル語に変更されたため、少なからず混乱も残っています。
ポルトガル語ができない教師は、あらためてポルトガル語を学ばざるを得なくなりました。
もちろん、テトゥン語しか使えないという方も多くいます。
ポルトガル語の識字率は都市部が約40%、農村部についてはわずか25%です。
学校に通う多くの生徒にとっては、ポルトガル語は教科書の言葉で、使うのは学校だけという効率の悪い状況になっています。
テトゥン語の教科書はなく、テトゥン語の出版物も非常に少ないのが現状です。
こうした中、テトゥン語で学習雑誌を発行し、合わせて生活情報も発信していく活動が行われています。
https://readyfor.jp/projects/carelafaek
自分たちの言葉で、学べて、必要な情報を手に入れられることが求められています。