トンガ王国の子供たちのむし歯を減らす
トンガ王国では、親が外国などに出稼ぎに行くことも少なくないため、親戚同士が助け合って子供を預かって育てているという世帯も多いです。そうした世帯は、大人数で子供の数も多く、生活のために仕事をしていく必要もあるため、育児にかける手間や時間も限られてきます。また、子供向けのお菓子やジュースには低価格の物ほど糖分がたっぷり入れられているものも多く、子供も好んで食します。歯ブラシなどの歯科衛生用品が販売されている場所も少なく、売られていても高価で普及していません。そうした環境の下では、むし歯になってしまう子供たちも多くなってしまいます。
経験された方であれば容易に想像がつくと思いますが、子供がむし歯になると酷く痛がります。生まれて間もない子供達には我慢できない痛みです。トンガでは歯科の治療技術も限定されてしまっていて、少しでも早く痛みを取ってあげようと抜歯してしまうことも多くなっています。
こうした現状を何とかしようと、南太平洋医療隊の方々によってマリマリ(笑顔)プログラムという歯科保健活動が行われています。
https://readyfor.jp/projects/10338
むし歯予防のための歯磨き指導やフッ化物洗口などの活動で、1998年に開始され2007年には小学生の永久歯のむし歯が半分になりました。ただ、乳歯の段階で虫歯になってしまう子供達も多く、乳歯のむし歯が永久歯にも影響してしまうことも少なくないため、今後は下の世代の幼稚園にも対象を広げていくようです。