木のストローは森林破壊にはならない理由
地球は水の惑星と言われています。
全体の7割が海で3割が陸地です。
太陽の光の熱により海の水が蒸発して雲ができます。
雲が発達して雨が降り、陸地に降り注ぎます。
雨水はやがて川となって海に流れ込みます。
こうして水は循環しているのです。
今、プラスチックごみが問題となっています。
人間の活動によって産みだされたものの中には土にかえることのない物質も多く存在します。
プラスチックもその一つです。
ごみとなったプラスチックが最終的に行くつく場所は、水と同じく海です。
大量に作り出されたプラスチックごみが海に蓄積して海洋汚染を引き起こしています。
今の段階で海にあるとされるプラスチックごみは1億5000万トンです。
さらに毎年800万トンずつ蓄積されていく計算になります。
海洋ゴミの影響で多くの海洋生物が命を落としています。
オーストラリアの海岸で見つかったウミドリの体内からは234個のプラスチック片が見つかりました。
ウミガメの鼻に刺さったプラスチックストローを引き抜いて助ける映像を見た方も多いのではないでしょうか。
このような状況の中で、スターバックスコーヒーはプラスチックストローを廃止を発表しました。
追随する動きも多くなっていて、使い捨てのプラスチック容器の見直しが議論されています。
プラスチックストローを紙製のストローにするという動きが多い中で、木のストローを開発しようという活動もあります。
https://readyfor.jp/projects/WoodenStraw
木のストローは木材を材料にします。
木を切ることは森林の減少につながり環境破壊につながるのではないかと短絡的に考える方も多いのですが、日本の場合は状況が異なります。
日本の森林の約4割は人工林です。
人工林は、元々木がない所に植林しているため、定期的に伐採して手入れをしないと森が密集して低木が育たなくなり、荒れた状態になります。
人工林が荒れた状態になると土壌が弱くなり、土砂災害などの原因となります。
現在、日本では林業の衰退により、人の手が入らない放置された人工林が増加していて、災害などの引き金となりかねないという問題が生じています。
木のストローの普及はこうした放置林の問題と林業の衰退の問題を解決し、海洋汚染を解決する取り組みにもつながると期待されています。